「ファンタジー」と聞くと、あなたはどんな物語が浮かぶでしょうか。
私は魔法を使って冒険するものが思い浮かびます。
今回ご紹介したいのは「ミステリー」なのですが、現代の元OLが不思議な扉を通って江戸と現代を行き来する、「現代ファンタジー」ともとれる作品です。
思い切りファンタジーなのは苦手なあなたも、この作品で「少し違う日常」を感じてみませんか。
さらっと読める!!実は時代劇ミステリー!?
作品タイトルは『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』。
山本巧次氏著書の小説で、2015年に宝島社文庫のこのミスこと『このミステリーがすごい!』大賞にも選ばれた作品です。
2021年4月現在7作目まで出ていて、私が把握しているだけでも1、2年前には電子書籍化もされており、収納場所があまりない方でも手が出しやすいものになります。
ライトノベルってわけではなく普通のミステリー小説のためか挿絵がないんですが、表紙に使われている絵が綺麗で若い世代でも
え、これがミステリーなの?小難しくなさそう!
って簡単に手に取ってしまいそうな本なんです。
厚さは一般的な文庫本で、一冊で1話が完結するのでどこから読んでも楽しむことが出来ます。
ですが最初の作品から読んだ場合、ところどころで以前は〇〇があった、のように続き物らしい話の触れ方を軽くしていることがあったりするので、やっぱり読むなら最初から通してがおすすめですね。
ライトで気軽に手を出しやすいミステリー
冒頭にも書きましたが、この作品は現代に生きる元OLの主人公が、祖母から譲り受けた家の不思議な扉を通り現代と江戸を行き来する新しいタイプのミステリー。
タイムスリップというよりはタイムトラベルで、現代の科学技術を駆使して江戸の事件を解決していく姿が痛快です。
自分から首を突っ込んだ事件は勿論、巻き込まれた事件も解決していくのですが、その時一緒に行動している江戸の同心と良い感じで、この先どう関係が進んでいくかが非常に気になります。
また現代にも主に捜査の面で協力を仰いだり協力したりする関係の男性もいるほか、江戸でライバルの女性が出てきたりと、いろいろもどかしい面も。
甘い展開にはほとんどなる事がないのですが、あまり恋愛を前面に押し出したものが苦手な方にはとても読みやすい作品になるんじゃないかと思います。
ファンタジー!?時空を超えて大捜査!!
実はこちらの作品は2019年にドラマ化されていて、関西テレビでこのミス大賞ドラマシリーズ第一弾として、7月5日から8月23日の間に全8話で放送されました。
タイトルは原作と少し変わって「時空探偵おゆう 大江戸科学捜査」となっており、現在はU-NEXTで独占配信されています。
主演は佐久間由衣、主題歌はQyotoの歌う「花時雨」という和風ロックになっていて、原作とは一味違ったおゆうの世界を楽しむことができるようです。
私は文庫を読んだことはありますが、ドラマは時期が悪く観られないまま。
U-NEXTも登録していないので、いずれ再放送されることを願ってしばらくは文庫を楽しもうと思います。
私がハマったおすすめポイント
先にご紹介した江戸、現代それぞれで身近にいる男性との関係もそうですが、歴史で実際にあった事件などの裏側で、どんな事があったのかと考えられる可能性が広がる作品です。
北斎の娘に絵を描いてもらっただとか、黒船来航の前に歴史的に重要な人物に接触していたとか。
めちゃくちゃ夢があるとおもいませんか。
あまり自分が知らない歴史、覚えていない事などでもわかりやすく主人公の視点で見られるのが新鮮で、歴史に少し興味が持ててしまうくらいに楽しいのです。
これを機に日本史が得意になる方も居るかもしれませんね!
また主人公のおゆう自身はもともと冴えないOLだったのですが、趣味で科学捜査のキットを所持していて、事件のたびにいろんな方法で証拠を採取しています。
見様見真似で指紋などをあつめ、苦戦しつつも何とか事件を解決に導いたりと、専門的な知識が無くても楽しめる作品になっています。
私は好き!!これはファンタジー作品とも言えるのでは??
私がこの作品を読んだきっかけは、子供がまだお腹に居るときに図書館に寄った際、新刊が出たばかりだったのか、ピックアップとして目立つ場所に置かれていたのが目に留まったからでした。
普段はほとんどミステリーという分野は読むことが無く、ファンタジーやライトノベルの作品を多く手に取っています。
ですがこの作品は「江戸」なのに「科学捜査」という、なかなか一緒にならないワードが並んでいたことと、表紙の絵が綺麗だったこともあり気になったのです。
挿絵とか表紙って、結構重要だと思いませんか。
特に普段読まないジャンルの本だと、自分が好む絵柄だった場合、特に手が伸びてしまいます。
(私だとファンタジーやライトな話が好きなので、きれいや可愛い系が多いです。いかにもなミステリーの文字だけ、小難しそうな表紙は苦手なイメージが強い)
また小難しい表紙でも挿絵が綺麗だったり可愛かったりしたら、それだけで読んでしまいたくなるくらいに私は漫画なども好きなので、需要はあるんだと思います。
ミステリーだからといって嫌煙するなかれ、ですね。
まとめ
こちらの文庫に挿絵はありませんが、文体も読みやすく、歴史に興味がある方には楽しめるのではないでしょうか。
ガチガチのミステリーは苦手だけど気になる、何か軽く読んでみたいという方にも、専門的な知識などは必要ないので、手が出しやすいと思います。
これを機に図書館で探してみた、なんて方が増えれば幸いです。